一般社団法人二科会写真部
代表理事 片岡順一
一般社団法人二科会写真部(当会)は、2022年に創立70周年を迎え、新たな時代へ向かって前進しようとしています。執行部の新体制が発足し、既に第70回展などの活動は動き出していますが、当会の今後の運営方針についての考えを纏めましたので、各位のご意見を伺わせていただけますようお願いいたします。
(1)“和”をもって運営に努める
当会の運営方針は、二科会の趣旨に沿うとともに創立会員4名の意思を継承します。さらには、会の発展のためには“和”を尊重することが何より大切です。誰もが当会に所属していてよかった、あるいは入会したいと思うような団体でありたいものです。組織としても、個人においても、周囲を思いやる気持ちを持つことで“和”が生まれます。
当会は、写真という共通の趣味を楽しむ者が集う会として、ある意味での価値観を共有し、写真文化の発展と向上に寄与するという目的に向かって歩みを続けて行きます。当会の発展のためには、皆さんの協調と協力が不可欠です。
(2)作品づくりを第一義に置く
当会にとって二科展を開催し、成功させることが何より大事な事業です。そのためには、作品出品者をはじめ関係者全員が、精一杯の努力を惜しんではなりません。
二科展において作品を発表することが、名誉会員・会員・会友の最大の目的であり、本分です。魅力のある展覧会にするためには、鑑賞者を魅了する素晴らしい作品を展示することです。鑑賞者は、当然、名誉会員・会員・会友の作品に一般公募作品以上のクオリティーを期待しています。
当会の一員であるためには、二科会趣旨「時代を認識する徹底性において視野を一方向に限定せず、新しい表現価値の創造に向かって不断の追究を期することが信条である。」(抜粋)を十分に理解し、表現への努力を怠らない切磋琢磨が大事です。
(3)財政健全化のため応募状況の向上を図る
当会が持続可能な事業として「二科会写真部展」を存続させるためには、財政面の健全化が必要です。
当会の主な財源は、①会員・会友の年会費、②一般公募の応募料です。①会員・会友の年会費は、会員・会友推挙基準を変更した影響で、近年、会員・会友が増員されているため、年会費も増額しています。ただ、これは一時的な現象で、ずっとこの状況が継続されることにはなりません。
②一般公募の応募料は、ここ数年において毎年、減少が続いています。一般公募の応募数の減少は、一般的な傾向であり、二科会写真部展への応募に限ったことではありません。その背景として、写真人口の減少と高齢化、写真の楽しみ方と環境の変化、公募展への興味の変化などが考えられます。
したがって、財源となる年会費も応募料も、将来的な見通しは明るくありません。こうした状況に対応するための対策を構築することが急務となっています。応募料を向上させて財源の確保を図る対策、費用対効果など収支のバランスを精査した予算編成が要求されます。
公募対策の実績を上げることは、そう容易なことではありません。しかし、理事会の責務として実効性のある計画を提示する必要があります。ぜひ、理事各位には、公募の応募数を拡大するための具体的なアイデアを検討していただきたい。
(4)委員会を設置して業務の実効性を高める
「支部対策委員会」「財務委員会」「総務委員会」「広報委員会」「展覧会実行委員会」を設置し、理事が委員としてそれぞれ業務の立案及び実行を分担して務めるようにします。
「支部対策委員会」は、地区選出の理事が地区担当となり、当会と支部の連結ピンとして相互のコミュニケーションを促進、支部の活性化、応募状況の向上などに努めます。当会の組織機能を維持発展するために要となる業務です。
「財務委員会」は、毎月の「貸借対照表」「収支計算書」の管理から予算の作成まで、財務対策など財務全般の業務を担当します。財源を増やすための対策を検討します。
「総務委員会」は、事務局業務の管理、定款・規則の管理及び改正、コンプライアンス対応など、当会の運営に関連した業務を担当します。
「広報委員会」は、対外的な広報業務を担当します。公募規約の製作及び配布など、効果的な公募対策やWebサイトの活用を検討し、応募に繋がるようにします。
「展覧会実行委員会」は、一般公募から展示まで展覧会開催の立案・実行全般にわたる業務を担当します。一般公募対策、作品鑑査、公募審査、協賛団体・会社対応、作品管理、展示から撤去まで展覧会期間中の管理など、二科展の成功に向けて委員会が主導します。
(5)支部との新たな関係を構築
連結納税制度が廃止になり、これまで行っていた支部連結決算がなくなります。制度としてこれまでの関係が解消され、支部は独立した任意の組織として活動することになります。「一般社団法人二科会写真部●●支部」は、「二科会写真部●●支部」に名称が変更されます。
ただし、当会の運営は、組織に支部が存在することによって成っています。名誉会員・会員・会友は、支部に所属していることが前提条件であり、理事は、支部によって選出され、公募は支部が主体になっています。
支部が組織から独立することで支部活動がより活発になって、応募の向上につながるか、逆に活動が低迷してしまうか、どちらのパターンも考えられます。
当会が、どこまで支部の支援・管理にタッチするか、支部が組織として機能するために必要なことは何か、新たな関係を構築することが求められています。支部対策委員会と総務委員会によって、十分に検討して結論を見出していただきたい。
以上
2022年6月28日